江戸時代、仙台藩は同一地域を長く治め、六十二万石の大藩であることもあり、領内に優れた工芸資料を生み出す技術や職人集団を有していました。その中でも、武器であり武士の精神性を示すものとしての刀剣類や武門の象徴としての甲冑(かっちゅう)類は、特に重んじられ、お抱えの職人を中心に幕末まで製作が続けられました。そのことを示す品々が、今も数多く残されています。
 本展では、仙台藩内で製作・所用された刀剣類や甲冑類を中心に展示し、工芸資料として、また武門の象徴であり武士の精神性を示すものとしての美しさや質感を見ていただきたいと思います。