当館は、県内各地に所蔵されている文化財の調査を進めています。その過程で、高僧の記した墨蹟類が諸寺院に多数所蔵されていることが分かりました。
 ここでは、東園寺(塩竈市)所蔵の墨蹟を中心に仙台瑞鳳寺の名僧である南山古梁(なんざんこりょう)を特集します。南山古梁は臨済宗に属した禅僧で、仙台藩第七代藩主伊達重村に見出され、寛永五(1793)年仙台藩瑞鳳寺の住職に迎えられました。儒学に通じるとともに詩文書画を能くし、その才能と学識は「海内無双」と称されるほどでした。剛柔自在の書、趣致あふれる絵画、絵師の描いた絵画への賛など、多様な南山墨跡の世界を紹介します。