平成29年に250年遠諱を迎える白隠慧鶴は、日本臨済宗中興の祖と呼ばれ、「五百年間出」(五百年に一人)の名僧と言われた江戸時代中期の禅僧です。公案(禅問答)を体系化し、多くの弟子を育成しました。
禅師は、弟子の指導や信者の強化のために数万点とも言われる墨蹟書画を遺しています。これまで、白隠墨蹟の評価は高く、海外にもその名が知られていましたが、近年は花園大学元教授芳澤勝弘氏の研究により、長年不明だった絵解きがなされるとともに、新出の墨蹟が発見されることが多くなってきました。
本展は、芳澤氏監修のもと、白隠禅師が活躍した静岡県沼津で、長年にわたり蒐集された個人コレクションを中心に、新出資料や宮城で秘蔵されてきたものをあわせ、200余点をかつてないスケールで紹介します。