宮城県多賀城跡調査研究所の研究員がそれぞれの専門分野の視点から、これまでの調査研究の蓄積を踏まえて、多賀城跡や古代東北地方の様子を伝え、地域の歴史文化を知っていただく講座です。

第1回 11月4日(土)
 「製鉄技術導入-陸奥南部-」 鈴木 貴生
 古代の陸奥南部では、製鉄が盛んにおこなわれていました。今回は、製鉄技術導入期の製鉄炉にはどのようなものがあったか、その系譜と導入の背景を考えたいと思います。

 「多賀城政庁第Ⅳ期の軒瓦と新羅系瓦」 矢内 雅之
 多賀城政庁第Ⅳ期の軒丸瓦に出現する宝相花文と呼ばれる文様は、貞観11年(869)の地震からの復興に際して派遣された新羅人が伝えたものと考えられています。今回は第Ⅳ期の瓦の文様と技法を改めて検討し、その生産の実態に迫っていきたいと思います。

第2回 11月19日(日)
 「多賀城の創建」 吉野 武
 多賀城は、養老4年(720)の蝦夷の大反乱後に、陸奥国の支配を再建するなかで創建されました。多賀城碑にみえる創建年代、創建時の多賀城の特徴、大野東人をはじめ多賀城の創建と陸奥国の再建を進めた人々などについて考えます。