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「仙台の近世絵画―東東洋の屏風―」

 ここでは、仙台を代表する近世画家の一人である東東洋(あずまとうよう)の屏風を取り上げます。
 屏風は、部屋の仕切りや目隠しなどに用いられる調度品ですが、そこに絵が描かれることで、空間を演出する装飾品としての役割も持ちました。屏風の大きな画面は、目の前に広大な風景があるように感じさせたり、時間や場所の異なる場面を、一つの画面に描いたりすることを可能としました。
 ここに展示する東洋の屏風は、物語、風景など、それぞれテーマは異なりますが、いずれもそうした大画面の特質が活かされた構図に、東洋らしい情緒ある雰囲気やユーモアを含んだ世界が描き出されています。
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作者

東東洋(あずまとうよう) 1755~1839

 現在の宮城県登米(とめ)市石越(いしこし)町出身の絵師です。はじめに当時の主流だった狩野派(かのうは)に弟子入りし、その後は京都や長崎など各地で修行して多くの画風に接しました。
 なかでも、実物の観察と写生を重要とした円山応挙(まるやまおうきょ)や、応挙の画風に詩情豊かな表現を加えた呉春(ごしゅん)の絵画に影響を受け、呉春を祖とする四条派(しじょうは)の絵師として活躍しました。
 太くやわらかな線、角の少ない単純化されたかたち、ほのぼのとした気分の人物や動物など、穏やかで親しみやすい画風に特徴があります。
 京都を拠点としながら仙台藩の御用絵師(ごようえし)としても活躍し、帰郷後も多くの弟子を育てました。