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染の型紙

 染の型紙は、布に文様を染める際に用いられるものです。文様は柿渋で和紙を張り付けた地紙に彫られています。型紙は彫りの大きさにより、小紋形、中形などの種類に分けられます。
 染め方は、反物に型紙を置き、防染のための糊(のり)を載せることで柄を付けていきます。この際、複数枚の型紙を重ね合わせることで一つの柄をつくる「追っかけ」といった技法により、より複雑な柄を染めることも可能です。

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【型紙の分類】

・縞(しま) 
縞文様を染めるための型紙。等間隔に彫られたものや、異なる太さや間隔を組み合わせたものなど様々な種類がある。防染糊を載せる際に縞がずれないよう、地紙の間に生糸を入れて補強している。
・小紋(こもん)
微細な文様を絹に染めるための型紙。本来は文様の大きさを示す言葉だったが、絹に染める文様として多く用いられたことから、絹向けであることも意味するようになった。彫幅は一尺三寸(約39cm)で、地紙は比較的薄い。
・小紋中型
  微細な文様を木綿に染めるための型紙。木綿向けの型紙を中型と呼ぶことから、木綿を染めるために用いられる微細な文様の型紙を指して小紋中型という。彫幅は一尺二寸(約36cm)で、地紙は比較的厚い。
・中型
  小紋よりも大きな文様を染めるための型紙。本来は文様の大きさを示す言葉だったが、木綿を染めるために多く用いられたことから、木綿向けであることも意味するようになった。浴衣や野良着、布団を染めるのに用いた。

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【トピック】

・追っかけ
一枚の型紙では不可能な文様を表現するため、複数の型紙を用いて染める方法を「追っかけ」という。これにより、宙に浮いた文様や色の濃淡を表現することが可能になる。
・絣(かすり)
絣風の文様を染めるための型紙。絣とは本来、先に糸を染めてから織ることで生まれる擦れたような織り文様を意味する。これに似た文様を型染めで表現するものである。
・絞り
絞り風の文様を染めるための型紙。絞りとは本来、染めたくない部分を糸できつくしばり染めることで、独特の文様を生み出す方法を指す。これに似た文様を型染めで表現するものである。