禅宗の祖である達磨大師の図像と賛で構成される達磨画賛は、当然のことながら禅宗に於いては最も珍重され、多くの作品が生み出されていますが、図像は各時代や法系によって大きく異なり、また賛については江戸時代前期から中期に画期があり、その後それが伝統として受け継がれながらも、処々で新たな展開を見せています。
 今回は、図像と賛との関係とその流れ、賛の内容における継承と新展開という二つの新視点に基づき、多様な達磨画賛の世界についてご紹介します。