当館では県内各地域に所在する文化財の調査に力を入れてきました。その中でも、高僧の記した墨蹟類が諸寺院で多数所蔵されていることがわかり、現在も調査を継続しています。
 その調査の成果を元に、今回の展示では、絵画に詩文などの賛が書かれた画賛の世界を特集します。

 画賛は、当然のことながら、その絵画と賛が密接な関係性を持っており、一つの作品としての画賛を理解するには、その両者を理解する必要があります。ただ、これまでの絵画鑑賞においては、絵画のみの鑑賞にとどまることが多く、賛の内容に深く踏み込んで画賛を理解することは、ほとんど行われていないように思われます。

 今回は、絵画鑑賞の一つの方法として、賛の内容を読んで、画賛をより深く理解することを目的に、宮城ゆかりの高僧の画賛をご紹介します。