骨角器は、動物の骨・角・歯・殻で作られた道具などの総称です。縄文人は身の回りの自然を知り尽くし、自然からもたらされたさまざまな素材からその特質を生かした道具を作り出しました。素材のもつ光沢と色彩の美しさあるいはしなやかな強さから、種々の装身具や漁撈具などに加工された骨角器はひとつの世界を形づくっています。
 

 ここでは、仙台湾と三陸海岸の代表的な貝塚である東松島市里浜貝塚と気仙沼市田柄貝塚の重要文化財に指定されている骨角器を中心に、当時の生活に用いられた土器や石器などもあわせてご覧いただきます。これらは縄文時代後期から晩期(約4,000年前から約2,800年前)の生業や精神文化などを知るうえで学術的に高い価値があるばかりでなく、縄文人の高い技術と芸術性を伝える貴重なものです。