郷土玩具は、日本各地に伝わる素朴な手作りのおもちゃです。これらの価値は、日本が近代化するなかで研究者や愛好家により発見され、その後も盛んに製作・創作されました。特に昭和に入ってからは、国内観光ブームとともにその需要が増し、郷土玩具はその土地の文化や風習を表すおみやげとして人気を集めました。
本展では仙台に暮らした医師黒田秀雄氏が全国で収集したコレクションの中から、東北各地で作られた郷土玩具を紹介します。収集年代は戦後の郷土玩具ブームの時代、1950年代から1980年代頃が中心です。
製作者は「郷土」らしさをどのように表現し、収集者はその玩具のどこに魅力を感じたのでしょうか。北は青森から南は福島まで。黒田コレクションに導かれ、戦後昭和の東北を旅しながらその魅力を探ります。