陸奥国府多賀城跡の南側に所在する山王遺跡・市川橋遺跡は、道路で地割された古代の街並みが広がっていたことで知られていますが、その前時代である古墳時代にも集落が存在しました。特に、中期から後期(約1600年~1350年前)にかけては大規模な集落が展開しており、七北田川下流域を治めた首長層の拠点集落であったと考えられています。

このうち、後期の集落に接する河川跡からは土器だけでなく、一般的な遺跡では残りにくい木製品や骨角製品が豊富に発見されました。これらは、当時の集落の様子やそこに住む人々の活動をより鮮明に知ることができる貴重な資料です。

ここでは、古墳時代後期の山王遺跡・市川橋遺跡から発見された木製農具や骨角製漁撈具・狩猟具などの生業を示すもの、首長の権威を示す大刀や仏具、葬送に使われた土器、まつり・まじないの道具、服飾具を展示します。