本展では、東洋が手がけた屏風をご覧いただきます。
東洋は、写実的で詩情豊かな画風が特徴の絵師で、太い輪郭線によってものを柔らかに描きます。また、青みのある墨の濃淡で立体感を表すことを得意とします。くわえて、中国に由来する画題を積極的に取り入れたことでも知られています。
ここに展示する屏風には、こうした特色がよく表れています。そのおだやかな画風から、目の前になごやかな世界が広がるように思わせます。
さらに、画題に応じて、筆づかいや画材を選んだり、構図を工夫したりすることで、情景やそこに込められた意味がより味わい深いものとなっています。
