骨角器は、動物や魚介類の骨・角・歯・殻で作られた道具類の総称です。縄文時代においては自然からもたらされたさまざまな素材からその特質を生かした道具が作り出されました。骨角器の素材のもつ光沢と色彩の美しさあるいはそのしなやかな強さから、種々の装身具や漁撈具などに加工され、ひとつの世界が形作られていました。

ここでは、仙台湾から三陸海岸の代表的な貝塚である気仙沼市田柄貝塚と東松島市里浜貝塚の重要文化財に指定された骨角器を中心に、当時の生活に用いられた土器や石器などもあわせてご覧いただきます。これらは縄文時代後期から晩期の精神文化や生業などを知るうえで学術的に高い価値があるばかりでなく、縄文人の高い芸術性を伝える貴重なものです。