こどもたちにとって、夏休みは一年でもっとも長い休み期間です。夏休みにおけるさまざまなイベントの中でも、家族でおでかけをするという行為は、日常空間から非日常空間へ生活の場を移すとともに、家族がそろって一連の行動をとることにより、家族のつながりを再確認することのできる貴重な機会でもありました。その夏休みに家族そろってでかけるという行為を実現させ、より実りあるものにするために、こどもも大人もそれぞれの立場でさまざまな行動をとりますが、その一連の行動と手段は社会の移り変わりの中で大きく変化していったことをたどることができます。
今回の展示では、年代を家族旅行が始まった昭和初期と、高度経済成長により家族旅行が急激に拡大した昭和40~50年代の2つに設定し、それぞれの時代における「夏休みのおでかけ」の様相を紹介します。この展示を通じて、夏休みとは?家族とは?といった今日的な問題を考えるきっかけを提供したいと考えています。
【写真:ディスカバージャパンポスター(鉄道博物館蔵)】