多くの墨蹟を残した高僧の中でも、瑞巌寺の中興開山である雲居希膺(うんごきよう)と臨済宗中興の祖といわれる白隠慧鶴(はくいんえかく)は、民衆に対しても禅の精神を平易に説こうとした代表的な存在です。両禅師の墨蹟は、その内容はもちろん、視覚的な面白さや工夫が随所に見受けられ、民衆が興味関心を持って理解できることに心を砕いたようすをうかがうことができます。今回は、民衆との関わりの深い資料を中心に特集します。