宮城県域の瓦生産は、約1300年前の古代に始まります。陸奥国府をはじめとする国家の施設やその附属寺院に葺かれ、中世では松島の瑞巌寺など限られた寺院で用いられました。近世になると伊達政宗によって築かれた仙台城、瑞巌寺、陸奥国分寺などの城や寺院をはじめ、仙台城下の町屋にも瓦葺きの建物が造られます。さらに、近世後期には、葺くのに便利で軽量な桟瓦が普及します。明治には軍隊や刑務所など、国家の大規模施設に瓦が使われ、それに合わせて東京からも多くの瓦職人が来ました。
この展示では、近世以降に展開した宮城の瓦を紹介します。