東日本大震災により、東北地方太平洋沿岸部を中心に、これまでの美しい街並みが一変してしまった場所が少なくありません。そこで、昭和初期~昭和30年頃に吉田初三郎が描いた、横長でパノラマ的な独特の構図を持つ鳥瞰図によって、東北地方の街並みの美しさを紹介していきます。その中には震災以前の街並みを鮮やかに、詳細に描いたものも多くみられます。
本展では、初三郎が描いた大判で色彩豊かな原画を中心に紹介します。また、初三郎は鳥瞰図を描く際に、その街を特徴付けるランドマーク的な建物に着目して描いていますが、それらの中で街中で長い年月、さまざまな世代の人々に親しまれてきたものの姿も、あわせてとりあげていきます。