観音菩薩(かんのんぼさつ)は、今を生きる人びとの悩みや苦しみ、願いなどを受け止め、人々を救うために自ら進んで現れると信じられてきました。人々に寄り添い、身近で頼りになる存在として古くから盛んに信仰されてきたのです。
東北地方はこのような思いがことのほか強く、各地で多くの観音菩薩の像が作られ、今にいたるまで人々の心のよりどころとなっています。東北各地に伝えられる観音菩薩の像をみると、親しみやすさがにじみ出たり、大きく立派な姿にあらわしたりするなど、観音菩薩に親しみ、頼りに思った人々の気持ちがうかがえます。
この特別展は、東北各地の観音菩薩の像や人々の願いを示す文化財などから、観音信仰の実像を探り、ふるさと東北の「文化力」に迫ろうとするものです。
地域の文化や誇りをあらためて認識していただくことで、震災からの復興を支援できるよう、さらには、震災に直面した県民の皆さまのお心に対して少しでも安らぎを届けられるよう願っています。

展示
特別展 東日本大震災復興祈念 「みちのくの観音さま - 人に寄り添うみほとけ -」
- 開催期間
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2015年1月24日(土)~2015年3月12日(木)
- 開催時間
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9:30~17:00(発券は16:30まで)
- 休館日
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毎週月曜日
- 観覧料金
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一般 1,000円(800円)/シルバー 900円(720円)/高校生 500円(400円)/中学生・小学生 300円(240円)
※カッコ内は団体料金
※シルバーは昭和25年12月31日以前生まれの方
※上記料金で常設展も観覧できます。 - 主催
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東北歴史博物館・福島県立博物館(宮城・福島観音プロジェクト実行委員会)
NHK仙台放送局平成26年度文化庁「地域と共働した美術館・歴史博物館創造活動支援事業」
- 後援
- 関連行事
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【講座】
①1月24日(土) 13:00~15:15 講堂 【終了しました】
「観音講と安産への祈り」 福島県立博物館学芸員 内山大介 氏
「東北各地の観音札所めぐり」 福島県立博物館学芸員 高橋充 氏
②2月7日(土) 13:00~14:00 研修室 【終了しました】
「みちのくの観音像Ⅰ」 東北歴史博物館学芸員 政次浩
③3月8日(日) 11:00~12:00 研修室 【終了しました】
「みちのくの観音像Ⅱ」 東北歴史博物館学芸員 政次浩
④3月12日(木) 13:00~15:15 講堂 【終了しました】
「観音堂の吊るし飾り-傘福とカサボコ-」 福島県立博物館学芸員 内山大介 氏
「東日本大震災と観音さま」 福島県立博物館学芸員 高橋充 氏
※受講無料です。【展示解説】
展示の見どころを学芸員の解説とともにめぐります。
開催期間中の毎週水曜日及び土曜日 各回11:00~
1月24日(土)/28日(水)/31日(土)
2月4日(水)/7日(土)/11日(水・祝)/14日(土)/18日(水)/21日(土)/25日(水)/28日(土)
3月4日(水)/7日(土)/11日(水)
場 所 : 特別展示室
※特別展観覧券が必要です。
関連催事
- 特別展「みちのくの観音さま」関連講座 3月12日(木)
主な展示資料

国宝「線刻千手観音等鏡像」水神社(秋田県大仙市)

青森県指定「聖観音菩薩立像」聖福寺(青森県おいらせ町)
岩手県指定「観音菩薩坐像」天台寺(岩手県二戸市)
宮城県指定「聖観音菩薩立像」常春寺(宮城県石巻市)
観覧された方々の声
★観音信仰の全体と東北での動向が、歴史的に、体系的に把握できる素晴らしい企画展です。(60代 男性)
★観音さまの前にいると、なぜか落ち着きました。良い展示でした。貴重なほとけさまをお貸し下さったお寺様にも感謝です。(60代 女性)
★地元の観音さまが修復され、展示されるとのことで見に来ました。とても美しく修復された姿に本当に感動しました。これからも大事にしていきたいですね。(30代 女性)
★仏像中心の展示と思いきや、地方に残る観音信仰を示す数多くの展示物。すばらしい。(80代 男性)
★まだまだ知らない観音霊場があるのを知りよかったです。東北は観音さまへの信仰があついのだとあらためて感じました。(30代 男性)
★たくさんの観音さまに出会えてよかったです。癒やされました。観音さまの後ろ姿もなかなか見る機会がないものなので、とてもうれしかったです。いろいろ工夫されているのだなと感じました。(40代 男性)
★はるか昔から、平和を願う祈る心はずっと変わらないものだと、あらためて深く感じました。苦しんでいる人々の声を聞き、探し出してくださるという観音さま。感謝の気持ちを大切に、私も祈りたいと思いました。(30代 女性)
★全く興味の無い世界だったが、すごく引き込まれた。展示方法がすごく魅力的だった。(30代 女性)
★あれから4年。これほど様々な仏達の様式があることに驚き、祖先達が心から信仰していた事がよく分かりました。時代は変わっても、心のどこかに仏に頼る思いは消えずに残っていると思いました。被災した仏像その他の修復に携わっている方々に感謝します。(60代 女性)
★普段見ることのできない、遠くの地方の仏像を実際に目にすることができ満足でした。テーマを仏像に絞った展示もぜひ見てみたいです。(20代 男性)
・本展は福島県立博物館・東北歴史博物館2会場の巡回展です。
・諸般の事情により、本特別展の展示図録は発行いたしません。ご了承願います。