旧登米警察署庁舎

明治維新後、政治・行政・産業・教育など様々な面において新しい制度が導入され、それに対応するための建築が求められました。新たな制度の下で必要とされた建築には、新時代・新制度を体現し、民衆に示すべく、近世以前の伝統的な日本建築とは異なる西洋の建築様式が積極的に用いられました。
明治期の宮城県においても、外国人技師のほか県の営繕技師や大工によって、西洋の建築様式を採り入れた洋風の木造庁舎・学校などが建てられました。そこには新時代にふさわしい建築をつくろうとした、日本人技術者たちの工夫と努力の跡を見ることができます。
本展では、当館が模型を所蔵する「東華(とうか)学校本館」と「旧登米警察署庁舎」を取り上げ、その歴史的背景と洋風の建築意匠を模型とパネルにより解説します。さらに、旧登米警察署庁舎をはじめ、明治期に県内で数多くの建築を手がけた宮城県技師・山添喜三郎(やまぞえきさぶろう)の経歴と事績をパネルで紹介します。