当館学芸職員が、日頃の調査・研究の成果についてお話しします。講座ごとに受講できます。(全6回)


<参加申込にあたって>

・各回ごとに設けますのボタンから事前申込みをお願いいたします。
・申込みは各回ごとに開催日の1ヵ月前(午前9時30分)から、電子申請方式で先着順で受け付けます。
・電子申請で申し込めない場合は、下記【お問い合わせ先】 へご連絡ください。

 

第1回 令和6年1月13日(土)午後1時30分から 嵯城 花佳

 発掘調査により、長い時を経て再び私たちの前にあらわれる文化財。そのうち、木でできた資料は土中でどのように変化し、発掘後どのように劣化していくのでしょうか。出土する木質文化財の状況から保存処理の歴史、当館で実際に行っている処理までをお話しします。

木製品の充填した部分に彩色し、
仕上がりの色調を整えている様子

 

第2回 令和6年1月20日(土)午後1時30分から  鈴木 瑛子

 古くより東洋と西洋を結んできたシルクロードでは、様々な民族を介することで、文化の融合が見られました。その影響は日本にも波及しました。シルクロードでは、どのような民族が興亡し、どのような文化が生まれたのでしょうか。シルクロードについて概観します。

敦煌の鳴沙山
(東京富士美術館提供)

 

第3回 令和6年2月3日(土)午後1時30分から 鈴木 啓司

 古代陸奥国の国府であった多賀城跡の南側には現在、高速道路が通り、住宅地や農地が広がっていますが、かつては古代の日本では珍しい道路で区画された街並みが広がっていました。発掘調査で発見された様々な資料から、この古代都市と呼べる空間がどのように展開し、どんな人々が住み、何をしていたのかを探ります。

山王遺跡から見つかった人面墨書土器
(東北歴史博物館所蔵)

 


第4回 令和6年2月17日(土)午後1時30分から 渡邊 直樹

 満州事変以来の「満洲」への政策的な移民事業は、昭和11年に重要国策の一つとして位置づけられました。日中戦争が始まると、青少年による「満蒙開拓青少年義勇軍」が移民の主力の一つとなりました。この講座では、なぜ青少年たちが、当時「国防の第一線」と考えられていた「満洲」の地に配置されなければいけなかったのかについて、関東軍とのかかわりの中で考えていきたいと思います。

「満洲」開拓関係資料
(東北歴史博物館所蔵)

 

第5回 令和6年3月9日(土)午後1時30分から 小野 章太郎

 近年の研究では、石器石材をはじめとして各種資源の産地の追求が盛んに行われています。これらの研究から、物資の移動の様相が明らかになりつつあり、当時の集団規模・生活領域・文化圏についてより詳細な検討が可能となってきました。東北地方の旧石器時代から縄文時代における物資の移動について検討し、当時の交流・物流の実態に迫ります。

重要文化財 硬玉製有孔玉器
(東北歴史博物館所蔵)

 

第6回 令和6年3月16日(土)午後1時30分から  今井 雅之

 時代の荒波にもまれて幻となった農民文学がこのたび復刻されました。原作者の名は、吉田三郎。秋田県男鹿で青年期を過ごした「もの言う百姓」です。大正期の赤裸々な農村生活を描いたこの小説がなぜ幻となったのか。小説の内容と執筆された時代背景の両面から探ります。