立身出世、長寿、子孫繁栄。吉祥(めでたいこと)の種類はさまざまです。東洋には、古くから動植物や神仙を吉祥のシンボルとしてとらえ、めでる文化がありました。絵画はシンボルを描き出し、めでたさを一目で伝えることができます。人々は絵画をめでることで、幸せへの願いを共有してきたのです。
松竹梅や七福神を尊ぶように、その文化は現代日本にも受け継がれています。一方で、めでたさの意味が分からなくなったものも少なくありません。そこで本展では、東洋における吉祥のシンボルを、絵画を通じてご覧いただきます。日本独自のものや、中国から伝わったシンボルたち。その背景には、現代の私たちにも共感できるような願いが込められています。
