病魔を除く狼の頭骨(弘前市・個人蔵)
人を襲う獣としておそれられた熊と狼。近年,里に出没する熊が増え,人身被害も起きています。 もともと熊は山の奥にすみ,山の神から授かるものとして猟師(マタギ)が獲ってきました。熊の毛皮や胆嚢(熊の胆)は高値で取り引きされ,江戸時代には捕獲や流通を管理する藩もありました。
他方の狼は人里近くにすみ,田畑を荒らす鹿や猪を獲る益獣としてあがめられる一方で,人や馬に危害を加える害獣として駆除され,明治時代に絶滅しました。
熊や狼のさまざまな資料を通して,人と獣との関わりを考えてみます。
開催期間 | 2017年9月16日(土)~11月19日(日) |
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開館時間 | 9:30~17:00(発券は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(ただし,9/18,10/9は開館),9/19,10/10 |
観覧料金 | 観覧料:一般800円(700円) シルバー700円(600円) 小・中・高校生300円(200円) |
割引券 | 主催 | 東北歴史博物館(芸術文化振興基金助成事業) |
後援 | 多賀城市/多賀城市教育委員会/多賀城市観光協会/多賀城・七ヶ浜商工会/TBC東北放送/ |
共催 | 河北新報社/NHK仙台放送局 |
協力 | セルコホーム ズーパラダイス八木山/仙台うみの杜水族館 |
関連行事 | 【展示解説】
【記念講演会】
・第2回 10月28日(土)13:30~15:00
【関連イベント】 |
プロローグ 現代の問題
第1章 獣と人
四つ足で歩き,毛のある野生動物を獣と言います。人は親しみを込めて獣を見ることもあれば,獣を獲って,その毛皮や肉を利用することもあります。獣はときに人を襲うこともあり,なかでも熊と狼は恐れられてきました。
第1節 さまざまな獣
第2節 人を襲う獣
第3節 熊と狼の被害
左:ニホンオオカミ骨格標本(国立科学博物館蔵)
右:狼被害女性墓(気仙沼市上東側)
第2章 熊との関わり
熊の毛皮や胆(胆嚢)は高値で取り引きされたため,猟師はさまざまな方法で熊を獲ってきました。熊は山の神から授かるものとして,猟師たちは独特の習俗や信仰を伝承してきました。
第1節 熊を獲る人
第2節 熊を獲る
第3節 熊を使う
第4節 マタギの習俗
左:安産祈願に使われた熊の手(二戸歴史民俗資料館蔵)
右:熊を解体する猟師を描いた版画(村上市・旧山熊田中学校蔵)
第3章 狼との関わり
狼には特別の力があるとして信仰されてきました。また,鹿や猪から農作物を守る益獣として,人びとからあがめられました。狼を捕獲して,その部位を利用することは稀でしたが,人や馬を襲うこともあったために,害獣として駆除されていき,明治末に姿を消しました。
第1節 狼に願う
第2節 狼が襲う
第3節 狼を除く
左:獣の牙を使った祈とうの数珠(日月寺蔵,中山町立歴史民俗資料館蔵)
右:狼駆除に使った毒薬(二戸歴史民俗資料館蔵)
エピローグ 熊の行く末