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特別展示室 展示案内

 9~15世紀にかけて,現在のカンボジアを中心に強大な勢力を誇ったアンコール王朝は,東南アジア史上に燦然と輝く世界遺産アンコールワットに代表される豪壮華麗なヒンドゥー教,仏教の石造美術を各地に残しました。その神秘的な造形は,世界各地から訪れる多くの人々の心を今も惹きつけてやみません。
 本展では,石彫像など約100点にものぼる文化財を一堂に公開し,王朝成立の前史からスタートし,世界遺産アンコールワットなど,アンコール彫刻の造形美の変遷の「みち」をたどります。さらに,アンコール王朝の周辺,現在のミャンマーのほぼ全域に君臨したパガン王朝や,現在のタイを中心に繁栄したドヴァーラヴァティー国など,インドシナ半島に華開いた豊かな宗教彫刻の世界を巡る,これまで誰も経験したことのない壮大な「旅」へと誘います。

開催期間

2016年7月16日(土)~9月19日(月)

開館時間

9:30~17:00(発券は16:30まで)

休館日

毎週月曜日(ただし,7月18日,9月19日は開館),7月19日(火)

観覧料金

一般1,200円,シルバー・学生1,000円,小・中・高校生500円
※東北歴史博物館友の会会員の方は,一般・大学生450円,小・中・高校生200円(いずれも当日)となります。

割引券
主催

東北歴史博物館/河北新報社/TBC東北放送

後援

多賀城市/多賀城市教育委員会/多賀城市観光協会/多賀城・七ヶ浜商工会/
サンタピアップみやぎボランティア会

関連行事

 

連続講座】 
「インドシナ半島の歴史と美術入門」
 講師:後藤 恒氏(本展企画者,福岡市美術館学芸員)
 場所:当館3階講堂(入場無料・事前申込不要)
①7月16日(土) 13:30~
「インドシナ半島1000年の彫像 カンボジア/タイ/ミャンマー」 
(終了しました。) 

②8月28日(日) 13:30~ 
「アンコール時代の遺跡と美術」
(終了しました。)

展示解説
 ※特別展観覧券が必要・事前申込不要
 8月3日,8月17日,8月31日,9月14日
 各回11:00~(1時間程度)
 場所:特別展示室
 担当:当館職員

 

関連催事

展示構成

 

Ⅰ アンコール彫像の濫觴 ― プレ・アンコール時代

 西暦802年にアンコール王朝が幕を開けるまでの約8世紀間を「プレ・アンコール時代」といいます。いくつもの国々が興亡したこの時代は、各地に異なる様式の彫像が刻まれました。
カンボジアにおける現存最古のヒンドゥー教像(ヴィシュヌ像)が発見されたプノン・ダ遺跡は、7世紀までメコン河下流域を中心に存在した扶南(ふなん)国の聖山で、その像を典型とする彫像様式の名称になっています。
 いっぽう、メコン河中流域で勢力を強め、やがて扶南国を支配下においた真臘(しんろう)国では、その都があったサンボール・プレイ・クック遺跡群を中心に、プノン・ダ様式とは趣を異にする彫像が造形されました。
 7世紀後半になると真臘国は力を失い、8世紀には群雄が割拠する混沌とした時代を迎えます。その間に形成された彫像の造形は、サンボール・プレイ・クック様式の系譜におかれる「プレイ・クメン様式」、それから派生した「プラサート・アンデート様式」、混乱期を反映した「コンポン・プレア様式」など、同じく遺跡名に因んで名付けられた様式によって分類されています。
 のちにアンコール王朝の造形へと集約されてゆく、それら諸々の様式の彫像を紹介します。 

 

   

 左:ヴィシュヌ(カンボジア 6~7世紀)

 中:パールヴァティー(カンボジア 7世紀前半) 

 右:ハリハラ(カンボジア 7世紀後半)

 

Ⅱ アンコール時代の彫像

 802年に、アンコール北東の聖山プノン・クレーン山頂でジャヤヴァルマン2世が王に即位して、アンコール王朝の歴史が幕を開け、14世紀まで続きます。10世紀頃までの間にヒンドゥー教神像の基本形が確立し、それが仏教彫刻にも影響を与えながら継承され、12世紀のアンコール・ワット様式で定型的な造形美を完成します。さらにその後に続くバイヨン様式は、仏教を重視して伝統的な造形を革新します。彫像が威厳と優美さ、装身具・衣装の豊かなバラエティを備えつつ洗練されていくようすは、華やかに繁栄するアンコール王朝の文化と統治を反映します。

 

   

 左:ヴィシュヌ(カンボジア 9世紀前半)

 中:ガネーシャ(カンボジア 10世紀後半) 

 右:ロケーシュヴァラ(カンボジア 12世紀末~13世紀初)

 

Ⅲ アンコール彫像の周辺

 アンコール王朝と同じ頃の東南アジアでは、タイのドヴァーラヴァティー王国、インドネシアのスマトラ島を中心とするシュリーヴィジャヤ王国、ミャンマーを統治したパガン王朝が栄えました。これら東南アジア諸王国の石造彫像、青銅製の像や陶磁器といった、アンコール王朝の彫像をとりまく文化を紹介します。

 

   

 左:スーリヤ(タイ 7~8世紀)

 中:マイトレーヤ(タイ 7~8世紀)

 右:ブッダ(ミャンマー 11~13世紀)

主な展示資料

 
 
 
アンコール・ワットへのみち The Path to Angkor Wat

(チャンネル登録:福岡市美術館)

写真をクリックすると映像(10分38秒)が流れます。(※音声有り)

お客様アンケート

お客様からいただいた感想です。(7/16~22のアンケートから抜粋。)

全体では9割以上のお客様から「満足」「ほぼ満足」のご回答をいただきました。ありがとうございます!

○展示物のあまりの多さに目がくらみました。2~3回見に来たいと思う。(女、60代、東北)

○アンコール・ワットに行ったことがあるため、思い出しながらゆっくり観ることができた。(女、30代、関東)

○ガイド、映像によってとても分かりやすかった。(女、60代、東北)

○アンコール・ワットに旅行した思い出がよみがえった。(男、80代~、東北)

○数年前に家族と現地を旅行したのでなつかしくなって見学にきた。(女、70代、東北)

○彫像群が美しい。様式の変遷も分かりやすかった。(男、40代、東北)

○一度は行ってみたいと思っていたアンコール・ワット。今年中にぜひ行ってみたい。(女、60代、東北)

○予想以上。ブッダ、ガルーダが見られると思わなかった。(女、40代、東北)

○アンコール・ワットに行こうと思っていたので、参考になりありがたい。(女、40代、東北)

○勉強になった。意外と見ていて面白いのでいつか母と行こうと思った。(女、~10代、東北)

○自由研究にしようと思って来た。想像以上にすごくて満足した。(男、~10代、東北)

○クイズ形式で説明も子ども向けに書いてあるのが良い。(女、40代、東北)

○ひとつの石から切り出された作品とは思えないものばかり。感動。(女、20代、東北)

○石像がとても素敵。(男、40代、東北)

○造形美の歴史や王朝成立までの歴史が勉強になった。(女、20代、東北)

○ここで色々なアンコール・ワットの器や像を見られたのがうれしい。(男、~10代、東北)

○学校で学ぶ歴史の情報も知れたし、宗教などの勉強が好きなので「なるほど」「初めて知った」ということばかりでためになった。(女、~10代、東北)

○アンコール・ワットに行った気分になり満足した。(男、40代、東北)

○動物と人が合体した像が面白かった。(女、~10代、東北)

○展示解説の丁寧な説明でより理解が深まった。アンコール・ワットへの興味関心が湧き是非行ってみたいと思った。映像も良かった。2回見た。(女、50代、東北)

○6~10世紀頃のインドシナ半島の人々の信仰や繁栄ぶりが想像できて楽しかった。また、日本の仏像につながるような像も見られ、興味深かった。(女、60代、東北)

○圧倒的な迫力。すばらしい彫像群。会場から特別なオーラが出ていた。友人にも紹介する。(女、60代、近畿)

○とても感激。これだけの内容の催事はないでしょう。ギメにも行きましたが数段優れている。(男、70代、近畿)

○子ども向けのスタンプラリーもあり楽しめた。アンコール・ワットのことを何も知らなかったので楽しかった。よく分かった。今回は祖父母と来たので次は両親と来る予定。(男、~10代、東北)

△ガネーシャが1体しかないのが謎。(女、20代、東北)

△石像がたくさんあり圧巻。寺院の説明、出土物があれば総合的に面白みが増すかも。(男、50代、東北)

▲展示物は多かったのに解説等が簡単で分かりにくい部分が気になる。(男、40代、東北)

▲地図の表示に距離は記載されているが、東京・仙台間との比較とか宮城県の大きさとの比較があるとわかりやすい。(男、50代、東北)

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