細井平洲松島真景図
豊かな自然と多様な地形に恵まれるわが国には、すばらしい景観が各地に多くあります。それらは例えば山や森、海や島、川や滝であったりと、種類も豊富です。
また、わが国では古くから、すばらしい景観を聖なるものと見なしたことで、そこに神仏がまつられ、そのための社寺が営まれました。これは、自然の景観に人工物が添えられ、新しい景観美がつくられたといえるもので、中世の絵巻物や仏画などはその代表例です。
江戸時代になると、中世の伝統を継ぐ一方で、すばらしい景観がくわしく分かるように細かく描かれたり、他のテーマと組み合わせられたりするなど、景観そのものを楽しむようにもなりました。その結果、景観図が格段に増えることとなり、さまざまな景観図が多くの人々の心をとらえていきました。
素晴らしい景観で有名な松島。湾内の多くの島々や、複雑な海岸線と高低差に富む陸地など、自然がつくりだす景観は絶景といってもよいでしょう。
さらに、瑞巌寺や五大堂をはじめとして、松島一帯には寺社が多くあることから、古くからこの地が聖なる空間であったことが分かります。このように、松島は自然の景観と歴史的な景観とが一体化している点が大きな魅力であり、それが松島を名だたる所、すなわち名所とする理由です。
このような松島は古くから景観図の格好のテーマともされてきました。そのうち江戸時代の松島の景観図は豊富なバラエティが特色で、この展示ではその多彩な魅力の一端をご紹介します。
開催期間 | 2012年3月13日(火)~4月22日(日) |
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開館時間 | 9:30~17:00 |
休館日 | 毎週月曜日(祝日場合は翌日) |
観覧料金 | 常設展観覧券で御覧いただけます。 |
主催 | 東北歴史博物館 |