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〒985-0862 宮城県多賀城市高崎1-22-1
今週から発掘調査開始です。五万崎地区から調査に入りました。この調査区は元々考えられていた外郭南辺の100〜120mほど内側を東西に延びる区画施設の想定ライン上に設定しています。想定が正しければ区画施設の位置や構造を明らかにすることができるはずです。
まずはショベルカーを使って、表土(遺跡が使われなくなった後にたまった土)を除去する作業からはじめました。広さはおおよそ5〜600uほどです。北側半分は現地表面から30cmほどで遺構が見えてきますが、南側半分は場所によって1m以上掘り下げないと遺構が見えてこないところもあります。昨年の試掘調査の結果もふまえると、北側半分は比較的広い平坦面が広がりますが、調査区の地形は南西側に大きく傾斜しているようです。これからは手掘りで少しずつ面をきれいにしながら遺構の内容を把握していきたいと思います。
連休終盤の悪天候がもう少し遅く来ていたら、この調査の進行もだいぶ遅れたかもしれません。昨年の調査では大型台風によって壁が崩れてしまうなどあまり天気には恵まれませんでしたが、今年は良い発掘日和が続くことを祈っています。



(廣谷 和也)
今日は、時折小雨がパラつく中、発掘調査中に使う基準杭の設置を行いました。雨の中の作業は疲れが増しますが、普段はほとんど顔を出さないリスを見ることができたので良しとしたいと思います。
今日の作業で、正殿の原点を元にした高さ20cmほどの木の杭を、正殿の東西南北に新たに設けました。周囲を歩かれる場合は念のため足下にお気をつけ下さい。
多賀城跡では、U期正殿の南入側柱列(南から二列目の礎石列)の中央にある原点と、同じく政庁南門跡の中央を通る点を結んだ軸線を発掘調査基準線としています。城内の発掘調査では、すべてこの軸線を基にしたグリッドで遺構の位置を把握していますので、この2つの基準点は非常に大事な存在です。
現在専門の業者さんに測量を依頼し、昨年の大地震後に城内の基準点がどれだけ動いているか確かめているところです。正殿の原点は復旧工事で一時撤去しますが、測量で得られたデータなどを基に検討しながら、発掘調査終了後に正確な位置に戻す予定になっています。
連休明けにはいよいよ発掘調査が始まります。休み中にしっかり体調を万全にして、発掘調査に臨みたいと思います。多賀城の桜は現在満開で、連休中は散り始めといったところでしょうか。運が良ければ木登りをするリスに会えるかもしれませんので、カメラ片手にぜひお立ち寄り下さい。


(廣谷 和也)
本年度の発掘調査は、創建期の多賀城外郭南辺の位置と構造の解明を目的とした五万崎地区の調査(第84次)と震災復旧工事に伴う政庁正殿跡の再調査(第85次)を行う予定です。
特に第85次調査では、多賀城跡の中で最も重要な施設である政庁正殿を43年ぶりに発掘調査します。最後に正殿跡を調査したのは昭和44年度の第6次調査で、政庁地区の環境整備を目的として多賀城町(現多賀城市)が主体となり、当研究所が担当して行いました。正殿跡では、この第6次調査と第1次調査(昭和38年度)の成果を踏まえて昭和46年度に基壇と礎石を復元整備しています。その後の経年変化で、整備した基壇上面のアスファルト舗装に亀裂が生じていましたが、東日本大震災によりこの亀裂が一気に拡大し、舗装面に歪みが生じるなど史跡管理に影響を及ぼす規模に達したため、復旧工事を行うことにしました。正殿跡の再調査は、この復旧工事に伴って実施するもので、6月頃の開始を予定しています。基壇上面アスファルトの再舗装が主な復旧作業となるために整備した周囲の基壇化粧は外しませんが、ほぼ正殿全体が再び姿を現すことになります。現在、具体的な調査方法や再確認したい課題について検討を重ねています。
また、五万崎地区を対象とした第84次調査は、5月のゴールデンウィーク明け頃に開始する予定です。第84・85次調査については、今年も発掘調査の最新情報をこのページに掲載しますので、是非ご覧ください。



(三好 秀樹)
多賀城跡の外郭北辺を対象に実施した地下探査の結果が出たので、その概要を報告します。
今回の探査地点は、外郭北辺が平安時代の外郭東辺と接続する場所からやや西に寄った北辺東部にあたり、北側から入り込む沢の内部を北辺築地塀の推定線が横断しています。この築地推定線に沿った探査測線と直交して谷の中央を縦断する探査測線の2測線を設け、電気探査・表面波探査を実施しました。電気探査は、地表に打設した多数の電極より地中に電流を流し、電気の流れ易さを測定して地下の土質状況を推定するものです。また、表面探査は、多数の地震計を並べ、カケヤで地面を強打して表面波を発生させ、その伝わる速度の違いから地下の人工構造物の有無や構造を推定するものです。
その結果、築地塀の基底部や基壇積土、築地崩壊土が残存する可能性がある箇所、築地塀に伴う溝などの存在が予想される箇所などが見つかりました。第9次5ヵ年計画の最終年度(平成25年度)に予定している外郭北辺の調査では、こうした地下探査の成果を基に調査地点を絞り込み、発掘調査で最大限の成果を得たいと考えています。今後の調査にご期待下さい。
(三好 秀樹)
多賀城跡の外郭北辺で、地下探査を昨年12月と本年1月の2回実施しました。地下探査には、地表に一定間隔で設置した電極から地盤に電流を流してその電気的性質(抵抗値の違い)を測定することにより、地下の状況を把握する電気探査という手法が用いられました。こうした探査で地下に埋もれた築地塀や大溝、石垣などの遺構の様子をある程度推定することができるそうです。
今回の探査地点は、平安時代の外郭東辺が北辺と接続する場所からやや西に寄った北辺東部にあたり、北側から入り込む沢の内部で急峻な傾斜地となっています。これまでに外郭北辺の丘陵上では築地塀の存在を確認していますが、沢の部分は未調査で、外郭施設の構造を確かめる必要があります。また、門や水門といった施設の存在も予想され、現在行っている外郭施設の解明を目的とした多賀城跡発掘調査第9次五ヵ年計画でも北辺の沢内部の調査は大きな課題の一つです。
発掘調査を行いにくい場所ですが、こうした地下探査の成果を基に重要な範囲を絞り込んで調査を実施し、また調査しきれない部分を地下探査の成果で補完できればと考えています。探査の結果については、3月中旬頃に委託業者から報告を受ける予定です。その概要については次回、このページに掲載したいと思います。



(三好 秀樹)
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