後期展示 12月1日から平成19年2月4日まで

明かりと暖房 電気がまだない時代の照明と暖房器具のあれこれを見てみましょう。むかしのものの中には、お世話になったなつかしいものがきっとあるはずです。

あなたは急な夜の停電時に、夜の闇を意識した経験はありませんか。ここで扱うのは、そのように主に電気がなかった、夜がほんとに暗い時代の、明かりと暖房器具の数々です。むかしの人は、火を直接おこして燃料に点火し、明かりや暖房に利用しました。明かりには、便利さ、効率の良さ、明るさを求めて、次々に松脂、種油、ロウソク、石油、ガス等を利用し、室内や携帯用の照明としました。また暖房には、今は懐かしい炭、コークス、豆炭、練炭なども用いました。ここではこれらの燃料を利用した照明具と暖房具の数々を紹介します。

資料の見どころ
資料画像 菜種などの油を入れた皿の周囲の四面を、風除けとして和紙で覆った形の照明具。江戸時代には室内用の照明として用いられました。丸形と角形がありましたが、これは角型四角形の形態です。正面の部分を上にスライドさせて、油皿の油を補充します。 資料画像 強盗提灯の略称で、ロウソクを用いた屋外用・手持ち用の灯火具。取手を握り持ち、一方向のみを照らし出します。ロウソクを固定する台を2個の金輪に取り付ることで、台が常に水平が保たれる構造になっています。
アンドン(行灯) ガンドウ(強盗)
資料画像 炭火を用いた暖房具。灰を入れた円形の火入れに炭火を入れ、ました。火傷しないよう、四角い容器に入れ、炬燵布団をかけて暖まりました。また、アンカを炬燵ヤグラの中に入れ、その上に布団をかけて使用する場合もあり、冬期の移動用暖房具として重宝でした。電気炬燵の登場とともに使われなくなりました。 資料画像 豆炭(木炭や石炭等の粉末を団子状に固めた燃料)を用いた暖房具。豆炭は火持ちがよく、安価な家庭燃料として用いられました。この資料は昭和34年以降に製作販売されたもので、昭和30年代から昭和60年頃まで使用されたものです。豆炭は毎日入れ替えます。高温になりやすいため、2年に一度は石綿を取り替え、やけど防止のためカバーをかぶせて使用しました。
アンカ(行火) 豆炭アンカ

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