前期展示 9月26日から11月26日まで

装いの意味 人々は大昔から自分の身体を飾るため、さまざまなものを身につけてきました。「なぜ?」という、自分を目立たせることの意味については、それぞれの時代の社会的な背景がみられます。

自らの身体を飾るための装身具は、縄文時代には呪術的な意味を持つものと考えられています。奈良時代以降は衣服の色調や冠・金具を綴じ付けた革帯の存在が、また武家社会では刀や甲冑などが、身分・役割などをあらわす標識として、集団内部で認識されるようになりました。いずれも人間の美的欲求以外の側面が極めて強いものが多くありました。それに対して近世以降、美しくありたいという本能的な感覚にもとづく、美的欲求を満足させるための装身具が多く発達し、身体をより美しく見せることを主目的とした装身具を数多く着用するようになりました。

資料の見どころ
資料画像 東北地方出土の勾玉の中でも最古の部類に属する縄文時代晩期のものです。この他にも岩版・岩偶・石棒等の呪術的なものが発見されたことから、墓に埋葬された人物に関連するものと考えられます。動物の牙に穴を開けた形をしており、これを身につけることで、動物のもつ威力を身につけようとしたとも考えられています。 資料画像 トンボ玉はガラス玉に模様を付けたもので、中国大陸に起源をもちます。旧石越町のこの遺跡からは、中央政府から賜与されたと思われる、大量のガラス玉や勾玉、管玉、切子玉が発見されており、都から遠く離れたこの地に葬られた有力者が、都の貴族たちと極めて強く結びついていたことを証明しています。
根岸遺跡出土 勾玉 山根前遺跡出土 
トンボ玉・勾玉・ガラス玉
登米市教育委員会 所蔵
資料画像 仙台藩主八代伊達斉村が着用したもの。13才の時におこなった「具足着初め」の式に着用したものでしょうか、金色で豪華な装いの具足です。 資料画像 漁民たちの晴れ着で、船主が大漁を祝って船子を集めて祝宴を催し、その際に引き出物として配られたそろいの法被。気仙沼地域では「カンバン」ともいわれます。模様には縁起の良い絵柄などが描かれています。
金小札五枚胴具足 万祝着

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