「東夷の中に日高見国有り。(略)人となり、勇悍(ゆうかん)なり。是れを総じて蝦夷と曰ふ」(『日本書紀』)。
 1,300年ほど昔、古代東北の地には律令国家の支配に属さない「蝦夷(エミシ)」と呼ばれた人々が暮らしていました。律令国家の歴史書には、蝦夷は反乱を繰り返し、天皇を中心とする強大な律令国家が彼らを征討する様子が書かれています。しかし、発掘調査の結果、律令国家との活発な交流の様子もわかりました。さらに最近の研究によって、律令国家の人々とは大きく変わらない生活を営んでいた一方で、墓の様相では律令国家と一線を画するなど、蝦夷の多様な生活と文化がわかってきました。 
 蝦夷とは何か。最新の考古学の発掘調査成果と古代史学の研究を集大成し、律令国家の形成・発展・衰退のなかで蝦夷と律令国家との軋轢(あつれき)と交流の実像に迫ります。
 1,300年の時を経て、古代東北の地に生きた「蝦夷」が、今ここによみがえります。

 

展示案内チラシはこちら