多賀城跡・多賀城廃寺跡では、国産の緑釉(りょくゆう)・灰釉(かいゆう)陶器、中国産の青磁(せいじ)・白磁(はくじ)が1,800点以上出土しています。それらは天皇が食事をするときや国家的な宴会でも用いられる高級な食器で、その出土量の多さは、陸奥国府であった多賀城の格の高さを反映しています。

 近年の研究により、それらがどこで作られ、どのように使われたかだけでなく、当時の都である平安京でもほとんど出土しないような資料の存在も分かってきました。今回はそれらについて紹介します。