当館では県内各地域に所在する文化財の調査に力を入れてきました。その中でも、高僧の記した墨蹟類が諸寺院で多数所蔵されていることがわかり、現在も調査を継続しています。
 その調査の成果を元に、今回の展示では、来年360年の遠諱を迎える雲居希膺の墨蹟を特集します。
 雲居禅師は、瑞巌寺の中興開山であるとともに、民衆に対しても善の精神を平易に説こうとした代表的な存在です。
 禅師の墨蹟は、内容はもちろん、視覚的な面白さや工夫が随所に見受けられ、民衆が興味関心を持って理解できることに心を砕いたようすを窺い知ることができます。