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 文字が日本に渡り、国の行政に取り入れられた古代において、紙や木(木簡)だけでなく、土器に文字を書くことも広く行われました。これは役所だけにとどまらず、その周辺や地方の村々でも行われており、文字が役人などに限らず一般の人々にも浸透しつつあったことを示しています。このような墨書土器は、近年の発掘調査によって全国的に出土数が増加し、宮城県内においても、多賀城周辺の遺跡を中心に膨大な数が発掘され、古代における文字資料の一つとして大きな位置を占めつつあります。
 今回の展示では、さまざまな文字とその内容、また墨書土器の機能や使われる場面などを中心に取り上げ、墨書土器の世界を紹介します。
資料画像 山王遺跡出土 呪符土器
↑山王遺跡出土 呪符土器

主な展示資料

 第T章 墨書される文字
  「厨」、「石団」、「政所」、「階上」(以上 多賀城跡出土)、「花会」(多賀城廃寺跡)
  「宇多田」、「西曹司」、「物代進上」(以上 山王遺跡)、「亘理」、則天文字(以上 市川橋遺跡) ほか

 第U章 墨書から見た「場」の様相
  「宮城」、「加美」、「亘理」、「川」(以上 山王遺跡) ほか

 第V章 まじないの墨書
  呪符土器、「丈部弟虫女代千収相」(以上 山王遺跡)、人面墨書土器(市川橋遺跡) ほか

 第W章 書かれる位置
  「吉」(多賀城跡)、「山本」(山王遺跡)、「工」(青木遺跡)、「刑部 屎子」(市川橋遺跡) ほか

 第X章 多様な文字の世界
  「福入」(多賀城跡)、「卍」「造仏石西」「松竹」「官十六酒」(以上 市川橋遺跡) ほか